高岡御車山会館は、国の重要有形・無形民俗文化財である「御車山」を通年展示する施設であり、本物の「御車山」をいかに美しく見せるかについて様々な工夫を行いました。
高岡の地場産技術や伝統工芸も紹介できる施設、さらに高岡の観光や賑わいの拠点として、御車山と『出会い』、『体感』、『交流』する施設です。山町筋と呼ばれるこの地域は、土蔵造りの町家形式の町並みで、配置の特徴である『主屋』、『中庭』、『土蔵』のあるゾーニングを、当会館にも同様な考え方の配置を行いました。
伝建地区側の高さの制限される通りにガイダンス棟を主屋として、敷地の中央に中庭を、御車山を展示する展示棟は蔵と位置付けて配置しました。
伝建地区により高さが制限される守山町側は2棟に見える外観として連続する土蔵造りの町並みにあわせたスケール感としました。
土蔵造りの特徴である外部の破風や鼻隠し、漆喰で包まれた垂木は、様々な観点より、地場産のアルミ鋳物を用いています。
また展示棟は、道路に面して御車山が出入りする部分にガラスを用い、そして3階部分は円形の形態とすることで通りに対し圧迫感を軽減する配慮を行いました。