冬季は積雪が3mを超える厳しい気象条件の中で、豊かな自然環境や既存集落の景観と調和する木造平屋建の診療所を計画した。屋根は雪割屋根を載せた5寸勾配の切妻形状として雪を確実に地面に落とし、軒の出を大きくして落雪による外壁の損傷を防ぐなど、豪雪から建物を守る工夫を施した。木造架構は登り梁形式を採用して開放的な内部空間をつくり、雪割屋根にアルミトップライトを設けることで積雪時でも太陽光が上部から診療スペースに届くように配慮している。設備面では空調の暖気をダクトで床下に送って床暖房効果を得られるようにするなど、気候に左右されることなく年間を通して明るく快適な内部空間となるよう配慮している。